歯の治療で抗生物質は必要?出されない理由と使うべきケース | 浦和もちまる歯科・矯正歯科クリニック

浦和もちまる歯科・矯正歯科クリニック

新型コロナウィルス対策について

歯の治療で抗生物質は必要?出されない理由と使うべきケース

投稿日:

カテゴリ: スタッフの日常 歯科コラム

✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚

 

 

こんにちは、浦和もちまる歯科・矯正歯科クリニックです✿

歯の治療を受けるとき、抗生物質は必要かどうかと不安に感じたことはありませんか。歯科治療で処方される薬は、治療内容やお口の状態によって異なります。そのため、患者さまによっては抗生物質が出される場合と出されない場合があり、「なぜ自分は出されないのだろう」と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。実は、歯科治療ではすべてのケースで抗生物質が必要なわけではありません。今回は、歯科治療における抗生物質の必要性や処方されない理由、そして処方について疑問があるときの対応方法まで、歯医者として患者さまにわかりやすく解説します。

 

歯の治療で抗生物質は必要?出されない理由と使うべきケース

 

 

▼歯の治療で抗生物質が必要なケース

 

歯科治療における抗生物質の使用は、すべての患者さまに一律ではなく、感染症のリスクや全身状態に基づき慎重に判断されます。ここでは、具体的にどのような医学的根拠に基づき抗生物質が処方されるのかを詳しく解説します。

 

◎抜歯後の感染リスクが高い場合

 

とくに親知らず(智歯)の抜歯は、歯茎を大きく切開し、場合によっては骨を削って歯を取り出す外科手術です。抜歯窩(抜いた後の穴)は細菌が侵入しやすく、周囲の骨や軟部組織に感染が広がるリスクがあります。とくに、親知らず周囲に既存の炎症(智歯周囲炎)がある場合や、腫れ・膿が認められる場合は、術後の二次感染を防ぐために抗生物質を投与します。医学的には、こうした外科的処置における「予防的抗菌投与(prophylactic antibiotic use)」は、感染予防のエビデンスが示されている一方、軽微な手術では原則不要とされています。

 

◎根尖性歯周炎(根の先の膿瘍)が広範囲に及ぶ場合

 

虫歯が歯髄(神経)に達して感染が波及すると、歯の根の先端部(根尖部)に炎症が及び、根尖性歯周炎を起こします。この状態が進行し、根尖部に膿瘍(abscess)が形成されると、局所の根管治療だけでは対応しきれない場合があります。とくに頬部や顎下の軟部組織に腫脹・発赤・熱感が広がっている場合は、局所の感染が周囲に波及していると判断され、全身投与の抗生物質が必要になります。これを「急性歯性感染症(acute odontogenic infection)」と呼び、重症化防止のため早期介入が求められます。

 

◎顎骨炎・蜂窩織炎などの重症感染

 

まれですが、炎症が骨髄腔にまで進行すると「顎骨骨髄炎(osteomyelitis)」、皮下軟部組織にまで波及すると「蜂窩織炎(cellulitis)」と診断されます。これらは命に関わる重篤な疾患であり、高熱・著しい腫脹・嚥下障害・開口障害といった全身症状を伴います。この場合は外来レベルでは対応できず、入院下での点滴抗生物質治療と外科的ドレナージ(排膿)が必要となります。重症化を避けるため、歯科医師は患者さまの全身状態を的確に把握し、必要に応じて速やかに専門医療機関へ紹介します。

 

◎心疾患など基礎疾患を持つ患者さまの感染予防

 

人工心臓弁、過去の感染性心内膜炎、複雑な先天性心疾患のある患者さまは、口腔内細菌が血流に乗り心臓に達することで、感染性心内膜炎を発症するリスクがあります。このため、特定の侵襲的処置(抜歯、歯周外科、インプラント埋入など)に際しては、事前に抗生物質を予防的に投与することが推奨されます(日本循環器学会およびアメリカ心臓協会ガイドラインに基づく)。ただし、こうしたケースは限定的で、すべての患者さまに当てはまるわけではありません。歯医者は患者さまの医療歴を確認し、必要な場合には内科主治医と連携を取り対応しています。

 

 

▼歯の治療で抗生物質が必要ないケース

 

多くの歯科治療では、実は抗生物質が不要です。患者さまから「虫歯の治療後に薬は出さないのですか?」と聞かれることがありますが、医学的な理由があります。

 

◎虫歯の治療後は基本的に必要なし

 

虫歯の治療は、原因である虫歯菌や感染部分を物理的に取り除く処置です。歯医者が行う虫歯治療(削る、詰める)は、細菌を除去することで治療が完了するため、追加で抗生物質を使用する必要はありません。

 

◎歯周病治療でも基本は局所管理

 

歯茎の腫れや出血で歯医者を訪れる患者さまも多いですが、歯周病治療はプラークや歯石の除去がメインです。局所の管理が徹底されれば、通常は抗生物質を使わずとも改善します。むやみに抗生物質を使うと耐性菌が発生し、かえってリスクが高まるため、必要性がない場合は処方しません。

 

◎小さな外科処置後も抗生物質は不要なことが多い

 

例えば乳歯の抜歯や小さな切開・縫合では、患者さま自身の免疫力で十分治癒が期待できます。歯医者としては、感染の兆候がない限り、不要な薬剤投与は避ける方針を取ります。

 

◎なぜ抗生物質がむやみに出されないのか

 

抗生物質は細菌感染を抑える薬ですが、ウイルスには効果がありません。また、不必要に使うと腸内環境が乱れたり、アレルギー反応が出たり、耐性菌が生まれるといった副作用があります。患者さまの安全を守るためにも、歯科医師は「本当に必要な場合にのみ処方する」という原則を守っているのです。

 

 

▼抗生物質の処方の有無が気になったら

「他の歯医者では抗生物質をもらったのに、今回は出されなかった」「お子さまは大丈夫だろうか?」そう感じるときは、遠慮せず歯科医師に確認してください。

 

◎疑問はその場で質問しましょう

 

治療中や説明の際、「なぜ今回は薬がないのですか?」と聞くことで、歯科医師はきちんと医学的な理由を説明してくれます。患者さま側が理解することで、不安や誤解を減らせるだけでなく、より安心して治療に臨めます。

 

◎気になる体調変化があれば早めに相談

 

抗生物質が出されなかった場合でも、治療後に腫れがひどくなったり、熱が出たり、痛みが強まったりしたときは、すぐ歯科医院に連絡してください。状況に応じて抗生物質を後から処方することもあります。

 

◎自己判断で市販薬を使わない

 

抗生物質は市販されていないため、薬局で買って済ませようということはできません。また、過去にもらった抗生物質を自己判断で飲むのは非常に危険です。患者さまの体調や治療内容に基づいて正しく使う薬だからこそ、必ず歯医者の指示を仰いでください。抗生物質は、誰でも気軽に購入できる鎮痛剤や解熱剤とは性質が異なる薬剤です。それだけに歯科医師や医師の処方が必須となりますので、その点は十分にご注意ください。これは患者さまの健康を守る上で極めて重要なポイントとなります。

 

 

▼まとめ

 

今回は、歯科治療で抗生物質は必要かどうかについて解説しました。歯の治療で抗生物質が必要かどうかは、患者さま一人ひとりの症状や治療内容によって異なります。歯医者が抗生物質を出さないのは、「不要な投与は避け、必要なときに正しく使う」という原則を守っているからです。虫歯や歯茎の治療は、物理的な処置で十分対応できる場合が多く、安易に薬を使わないことが患者さまの健康を守ることにつながります。

 

もし「抗生物質が必要なのか不安」「子供にも処方されるのか疑問」といったことがあれば、ぜひその場で歯科医師に相談してください。浦和もちまる歯科・矯正歯科クリニックでは、患者さまが安心できるよう、丁寧な説明を心がけています。不安なことがあれば、いつでも遠慮なくお声がけください。

 

 

↓ ライン(line)ではその日のお得なキャンペーンなどもお知らせしているので

逃さない様に是非line登録してみてください❀

インスタグラムなども投稿しているので最新情報を要チェック!

 

🍀 浦和もちまる歯科・矯正歯科 ♡公式ライン(line)

💓 浦和もちまる歯科・矯正歯科 ♡公式インスタグラム

🐣 浦和もちまる歯科・矯正歯科 ♡公式 X(Twitter)

🌷 浦和もちまる歯科・矯正歯科クリニックは、日曜日診療や親子で入れる個室診療室、エレベータ完備のバリアフリー設計など、お子さまからご高齢の方、ご家族全員で通いやすあります。の歯科医院

 

浦和もちまる歯科 インビザライン

トップへ戻る