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歯周病が再発してしまう?歯周病菌の特徴を知って対処しましょう

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カテゴリ: スタッフブログ 虫歯・歯周病ケア

こんにちは。

暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしですか。

今日は歯周病についてご説明いたします!

Q歯周病は完治するか?

答えはNо!

 

歯周治療によって歯周病菌の量が減ってくると、出血が止まったり、歯周ポケットが浅くなる、など歯周組織の状態は改善してくるそうです

しかし、これは歯周病菌と歯周組織の共生関係が取り戻されただけあって、歯周病菌が口腔から完全に駆逐されたわけではないようです。常在菌である歯周病菌は駆逐できません。

生き残った歯周病菌はバイオフィルムや歯周組織に潜伏し歯周病の再発を狙うようです。歯周病の原因を駆逐できないということは、歯周病には再発の危険がつきまとい、完治はないということです。では、なぜ歯周病菌を駆逐することがでできないのでしょうか。

 

歯周病が完治しない理由<バイオフィルム>

≪バイオフィルムの始まりはペリクル≫

歯周炎の終着駅は、歯槽骨を含んだ広範な歯周組織の破壊と、それに伴う歯の喪失です。この組織破壊は、歯周組織を舞台とした高病原性バイオフィルムvs.宿主免疫による慢性的な炎症反応が主原因だそうです。歯周治療により高病原性バイオフィルムが取り除かれないかぎり、歯がすべて抜け落ちるまで炎症は続くようです。

さて、バイオフィルムはどうやってできるのでしょう?

バイオフィルムの始まりは、ペリクルの形成です。ペリクルとは、歯の表面に唾液成分が吸着して形成される無色透明な薄い膜です。

ペリクルに付着できるメカニズムをもった一部の口腔細菌がまず歯の表面に付着するようです。

 

≪バイオフィルムは3日で成熟≫

唾液中の口腔細菌がペリクルに付着すると、その細菌の上に別の細菌が付着し、時間とともに細菌が集積してバイオフィルムは厚くなっていくそうです。形成を開始してから3日ほどたつと、バイオフィルムは歯周病原性を発揮するようになり、さらに成熟を続けるようです。

成熟バイオフィルムの大きな特徴は、その内部の酸素濃度、イオン濃度はμmのオーダーで変化勾配を作っているため、バイオフィルムの内部はさまざまな環境をつくり出すことができるようです。バイオフィルム細菌は自分の住みやすい環境を選んで暮らすことができ、好気性菌と嫌気性菌など異なった代謝系をもつ細菌の棲み分けが可能となります。

 

≪バイオフィルムは仲良し集合住宅≫

バイオフィルム内では、多種類の細菌が高密度で生息し、互いに代謝産物、エネルギーのやりとりをするほか、遺伝子の交換も行っているようです。また、クオラムセンシングというメカニズムを使って、細菌は自身と他菌種の生息密度を感知して、それに応じて物質の産生をコントロールし、バイオフィルムでの生存や増殖が有利になるよう利用していると考えられています。この特殊な生態系の働きによって、単独の細菌にはない機能や活生が生み出され、集合体としてのバイオフィルムの病原性が高まっていくと同時に、多種多様な環境変化にも対応できるようになるのです。

 

≪バイオフィルムは頑丈な要塞≫

歯周病菌が細菌どうしで凝集せずに歯周ポケット内に存在していれば、マクロファージの格好の標的となって貪食を受けるでしょうし、歯周ポケットの薬液洗浄だけでポケットから追い出せるでしょう。しかし、歯周病菌が住んでいるのは歯根表面に付着した大きな凝集菌塊・バイオフィルムです。

バイオフィルムは細菌が産生する接着性・粘着性に富む菌体外重合体物質で囲まれた細菌の集合体です。バイオフィルムの中で歯周病菌は増殖し、バイオフィルムの厚さと密度を増加させ、バイオフィルム内部の細菌は頑固なバイオフィルム基質により保護されます。外からの攻撃に対してより堅固になるとともに、内部は嫌気性を増し、歯周病菌に適した環境がつくり上げられていくようです。

 

≪免疫系や薬剤ではバイオフィルムを攻撃できない≫

バイオフィルムの中には、貪食細胞や抗体はもちろん、抗生物質や殺菌液もほとんど侵入できません。そのため、抗生物質はバイオフィルムにはあまり効果を示しません。殺菌剤クロルヘキシジン、界面活性剤や免疫細胞による食作用に対しても、バイオフィルムは強い抵抗性を示します。SRPなどのデブライドメントを行わず、薬液や消毒水による殺菌を期待してのポケット内の洗浄は気休めにしか過ぎません。

 

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