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【根の治療】歯髄の感染と露髄(神経まで達した虫歯)の診査法は?

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カテゴリ: 歯科コラム

歯髄に細菌感染があるか、ないかを診断することは臨床的には重要なことです。

歯髄腔と窩底の間に硬い象牙質の層があれば歯髄には細菌は侵入できず、細菌の出す毒素のみが通過するので、漿液性歯髄炎と化膿性歯髄炎の鑑別が可能であると考えた。

そこでこの硬い象牙質の一層の有無を診査する方法についての研究があります。

う窩の電気抵抗値を測定し、その値を15KΩと定めました。

いろいろな条件により、多少問題はあるのですが、この値を信頼して実際の臨床処置が行われています。

 

若年者に多い急う蝕では、進行も早く、象牙細管の閉鎖傾向も少なく、拡張象牙細管となりやすいので、細菌の歯髄内侵入も安易となります。

実際の臨床においても、慢性う蝕では歯質の着色も強く、切削時に抵抗を感じますが、急性う蝕では、不注意に切削を行うと、安易に露髄してしまう。

急性う蝕では、露髄の診査が難しく、歯髄は細菌感染しやすくなります。

しかし、若い人の歯髄は活性が高い。活性が高いので反応性が強く、そのため激しい症状がでやすくなります。

 

う窩の細菌の中にも人間社会と同じように、積極的に活動して、他の細菌よりもいちはやく象牙細管を通過して、歯髄表層に達するものもいますが、歯髄表層にはたくさんのいろいろな細胞が待ち受けていて、侵入者に対しては激しく反撃します。

最初のうちは、歯髄側の細胞が多勢に無勢で、細菌側は不利、後続細菌が少ない場合には歯髄側の判定勝ちとなるイメージです。

戦いは終了したわけではなく、歯髄側は第3象牙質を添加して防塁壁を強化し、一方、細菌側は後続授軍の到着を待って、侵略の機会を狙うと同時にその日の為に定期的に偵察機を飛ばしては小さな小ぜり合いを起こす、これが軽度の臨床症状の出現に相当すると考えられます。

歯髄の活性が弱い場合は感染と同時に発病しますが、抵抗力が強い場合は持久戦となります。

しかし歯髄陣営は、歯科医の助人が、細菌の大群が押し寄せてくる前にきてくれないと、遠からず降伏せざるを得なくなります。

このような時期を診断するのは非常に難しいです。

歯髄内の血液を採血して、白血球、リンパ球の増減の比率により第一期より第三期に分類されています。

第一期が細菌毒素による炎症像で、第二期が細菌感染時期、第三期が慢性炎症像です。露髄前の炎症状態は第一期に相当します。

 

露髄の検査は、う蝕の部位により困難なことがあります。

咬合面や歯頸部は容易であることが多く、隣接面では困難です。隣接面の検査は、充填操作のことも考え、多少便宜的に頬、舌側に窩洞を拡大して行うとよいでしょう。

電気抵抗値測定法による場合はう窩のう蝕象牙質を徹底的に除去しなくてもよいとされています。

視診や触診によって診断する場合は、注意深く行うことが重要です。なお、露髄のある症例を間接覆髄を行ったり、充填すると、後日痛みを生じるようになります。

 

露髄している症例は、100%歯髄に細菌感染があると考えられます。

診断も比較的安易です。探針を用いてう窩を触診し、露髄部に探針の先が触れると、急に擦過時の抵抗感がなくなると同時に患者は激痛が起こります。

症例によっては出血を生じるので、露髄の有無が明瞭となります。また、う窩が大きく露髄が大きい場合、あるいは歯髄息肉が観察される場合は視診によっても診断が可能です。

 

う窩の電気抵抗値測定法によると、15.0KΩが露髄値で、15.0KΩ以下は歯髄は口腔と交通し、細菌の感染を受けていることになります。

なお、15.0KΩの値を示す症例をとくに不顕性露髄の症例ということもあります。

露髄があり、急性症状がなければ慢性潰瘍性歯髄炎で、急性症状があれば急性化膿性歯髄炎のことが多いです。

 

歯髄炎の急性と慢性の鑑別法は?

病理組織学的によれば細胞レベルで急性か慢性かを明らかにしてくれるが治療を予定している歯を抜去して標本をつくるわけにはいきません。

そこで、歯の痛みの既往や現症により、さらに歯の表面から温度刺激を加えて、誘発痛の診査を行い、急性症状の有無を推定します。

歯痛の既往歴を患者の問診から調べるのであるが、”喉元すぎれば熱さを忘れる”と言われているように、記憶が定かでないこともある。過去の痛みについては、病理組織学的に急性炎症が慢性化するのに10~14日くらいかかるので、この辺の痛みの経過について重点的に訪ねて記録します。

もちろんそれ以前に症状があった場合も記録し、総合判定時の参考とする。

痛みの程度や性状は、患者様の感受性により異なるので、問診や診査中に患者の性格などについても推察して、急性症状判定の参考とします。

私の経験では、ミラーが健全歯に触れただけでも痛みを訴えた患者様がいらっしゃいました。

一方、対照的に、相当深い窩洞を形成しても痛みを訴えることもなく、むしろ快感であるなどと表現され、驚いたこともあります。

日常、数多くの患者様の治療を行いながら、痛みについて詳細な検討を加えてみると、痛みほど不思議な現象はないとわかります。

抜髄後の幻想歯痛プラセーボによる除痛現象、カウンターイリティション、針やレーザー、電気刺激との併用、あるいは電磁波による中枢側ニューロンの抑制現象です。

 

温度診も有効な手段である。温度診は氷やエチルクロライトなどを用いて冷刺激法と加熱ストッピングを用いる熱刺激法と加熱ストッピングを用いる熱刺激法がある。

歯髄が外来刺激によって炎症性変化を伴うようになると、神経の興奮性が高まります。

何故、興奮性が高まるのかについては第一番目にあげられる理由として炎症性変化に伴って生じる発痛物質の遊離による歯髄神経の興奮です。

第二番目にあげられる理由としては歯髄の内圧上昇である。

炎症性変化が進行すると、二次的に産生される滲出液の増加、分解産物、血流の増加などにより歯髄腔の内圧が次第に上昇します。

その結果、歯髄内の神経が圧迫され、軽度の外来刺激に対しても反応するように、閾値が低くなります。

また、ある一定以上の内圧になると圧迫性疼痛として自発痛が生じます。

 

温度診は歯の表面に直接刺激を加え、誘発痛が生じた時点で除去し、持続痛が30~60秒以上持続した場合には、歯髄は急性状態にあると診断しています。

30~60秒の持続時間はかなり長く感じられます。これらの判定法に関する論文は少ないです。

慢性歯髄炎の中でも、閉鎖性歯髄炎の診断は難しく、すでに述べたパルス列歯髄診断法が有効な方法とされています。

う蝕に断発した歯髄炎では、歯髄充血、急性漿液性歯髄炎までは口腔と交通せず、露髄もないが、急性化膿性歯髄炎となると口腔の交通が開始され、次第に露髄部も大きくなり歯髄の内圧は減少する。

生活力の旺盛な歯髄では潰瘍を形成し、慢性潰瘍性歯髄炎となり、自発痛の出現は少なくなります。

以上のような臨床検査により、急性と慢性の区別をしています。すなわち積極的な臨床症状を示す症例が急性であり、消極的、かつ無症状なのが慢性です。

根の症状はとても複雑で、治療の精度も要求されます。

 

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