【口臭が気になる】歯周病?気のせい?ニオイの意外な原因は◯◯かも。
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カテゴリ: 歯科コラム 虫歯・歯周病ケア
受付の滝本です。
皆さんは口臭(お口の臭い)が気になるときはありませんか?
歯科の受付コンシェルジュとしての仕事を行う上で、
私自身とても気をつけていることの一つです。
今回は口臭についてお話させて頂きます。
口臭から歯周病診断
口臭は歯周ポケットからの出血と同様に、歯周状態を知るための貴重な情報です。また、口臭の原因物質の毒性は歯周炎をさらに進行させます。口臭をなくすことは歯周基本治療の大きな目的です。歯周炎に口臭はつきものです。不快な口臭は周りの人を遠ざけます。口臭は歯周状態を判定するための貴重な指標です。
口臭の原因物質は口腔細菌が産生
口臭のほとんどの原因物質(口臭成分)は口腔細菌が産生します。われわれが毎日摂取する食物や、口腔組織、プラーク細菌などのタンパク質や炭水化物を、舌苔や歯周ポケットにいる細菌が取り込みます。そして、それらを代謝、分解する際に細菌の排泄物として口臭成分が発生します。歯周病に特徴な臭いは、歯周ポケットに供給される栄養素を歯周病菌が代謝、分解する際に発生します。ほとんどの歯周病菌は口臭成分を産生します。
強い口臭は進行した歯周炎の証拠
強い口臭は歯周病菌が大量に口腔内に生息し、細菌の新陳代謝がさかんに行われていることを示しています。また、口臭成分の毒性は歯周炎をさらに進行させるので、口臭がなくならないかぎり、歯周炎は治まりません。
口臭の分類
口臭は口臭研究学会によって5つに分類にされています。実際に口臭があるものは真性口臭症とよばれ、他人が明らかに不快な臭いを感じるものです。口腔に原因がある口臭は2つ、生理的口臭と病的口臭です。口臭があるからといって、すべて歯周病によるものではありません。生理的口臭は、口腔清掃不良のために蓄積した舌苔やバイオフィルムに由来するものです。病的口臭は、主に歯周病、その他として重度う蝕、唾液腺の機能低下などによるものです。
真性口臭症の原因物質は3つ
口臭の原因物質の主体は揮発性硫黄(いおう)化合物とよばれる硫化水素、メチルベルカプタン、硫化ジメチルです。硫化水素は多くの細菌種が産生し、生理的口臭の原因物質となっています。一方、メチルメルカプタンは主として歯周病菌から産生されるため、歯周病に特徴的な口臭成分です。硫化ジメチルによる口臭は肝臓疾患などの全身疾患由来の場合があります。これらの揮発性硫黄化合物は特有の臭いを発します。揮発性硫黄化合物は嗅覚を麻痺させる作用もあり、患者さん自身は臭いを強く感じていないと考えられています。
実際に口臭はない仮性口臭症
学校、職場、地域社会などでの人間関係の不調和に悩み、その原因が自身の口臭であると思う方も増えています。このような方が訴える口臭の場合、実際には口臭はなく、精神的な思い込みによる仮性口臭症あるいは口臭恐怖症が少なくありません。
真性口臭症の診断
真性口臭症への対応は難しくありません。口臭の原因は舌苔か歯周病だからです。一方、仮性口臭症あるいは口臭恐怖症への対応は簡単ではない場合があるので、専門家に依頼するほうが賢明です。
口臭レベルの判定、におい袋を使った官能試験
セロファン袋の角にストローを付けたにおい袋に患者さんの呼気をためて、ストローの口を鼻に近づけ臭いをかぎます。ストロー付きのセロファン袋の代わりに台所用の小さなポリ袋を使うこともできます。臭いの強さの判定は官能試験判定表に基づいて行います。呼気が生暖かいうちに臭いを嗅いでください。生理的口臭の官能試験判定はレベル3までが多いですが、歯周炎による口臭は強く、レベル4~5の不快な臭いが少なくありません。口臭が確認できないにもかかわらず、口臭をご自身で感じる場合は仮性口臭症、あるいは口臭恐怖症が考えられます。
~官能試験判定表~
0・・・臭いなし⇒臭覚閾値以上の臭いを感知しない
1・・・非常に軽度⇒嗅覚閾値以上の臭いを感知するが、悪臭と認識できない
2・・・軽度の口臭⇒悪臭と認識できる臭い
3・・・中程度の口臭⇒悪臭と容易に判断できる
4・・・強度の口臭⇒我慢できる強い悪臭
5・・・非常に強度の口臭⇒我慢できない強烈な悪臭
生理的口臭と病的口臭
生理的口臭の最大の発生源は舌苔です。舌苔は舌の奥のほうに付着する白~薄茶色の細菌塊です。舌背面は多量の細菌が生息できる広さがあるだけでなく、1日3度の食事によって多種類かつ大量の栄養源が供給されます。舌背面は呼吸のたびに外気にさらされますから、多くの臭気が口腔外へ放出されます。舌苔を増加させる因子が何であるかははっきりとはしていませんが、加齢とともに唾液分泌量が減少することが原因の1つです。
病的口臭の原因は歯周病
病的口臭のほとんどは歯周病によるものです。歯周病の進行にともなって口臭が強くなっていきます。口臭の原因物質は歯周ポケット内の歯周病菌が産生する口臭成分メチルメルカプタンです。また、歯周病患者は非常に多くの舌苔をもつことで知られており、口臭の強度を上げていきます。
下清掃でよみがえる味覚
生理的口臭への対応は舌ブラシで舌磨きすることです。舌ブラシが望ましいのですが、歯ブラシでも磨けます。舌清掃によって口臭が減少するとともに、もう1つメリットは味をはっきりと感じるようになることです。舌上面には食べ物の味を感じる受容体(味蕾)が存在します。舌苔が味蕾を覆っていると、味覚が十分に働きません。舌がきれいになれば食べ物の味もよくわかるようになります。
舌清掃はソフトに
舌表面は歯肉に比べて柔らかいですから、傷つきやすくなっています。舌苔が減少して、茶色っぽい色が薄まれば十分です。とことん磨いて出血することのないようにしましょう。角化して白く見える舌乳頭と舌苔と思って、一生懸命磨いて舌を血だらけにしても、糸状乳頭の白い色は取れません。舌、糸状乳頭の先端は角化して白く見えることが多いので、注意してください。
口臭の原因はこのように沢山あるのですね。
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