【3分で読める】矯正後のリテーナーによる保定はなぜ必要?院長が徹底解説します!
投稿日:
カテゴリ: インビザライン 歯科コラム 歯科矯正 院長ブログ
浦和もちまる歯科・矯正歯科クリニック 院長の 持丸みずきです。
歯並びの矯正を検討中の皆さまは、保定をご存知でしょうか?
歯列矯正は、実際に歯を大きく動かすことがメインのように捉えられることがほとんど。
でも実は、歯列矯正は歯を動かしたら終わり、ではないんです!!
保定期間こそ、本格的に手入れを行わなければ、矯正に費やしたお金が無駄になってしまうかもしれません。
本ブログ記事では、矯正後のリテーナーと呼ばれる器具を使った保定について、もちまる歯科の院長である私が徹底的に解説します。
こんな人におすすめ
- 歯列矯正を検討している(インビザライン・その他の矯正を含む)
- 確実に歯並びを綺麗にさせて矯正を成功させたい
- 保定の種類や期間について知りたい
他にも「歯科矯正」をテーマに、役立つブログ記事を投稿しています!興味のある方はぜひご覧ください。
歯は動かしても「後戻り」する
矯正治療が終了して一番心配されるのは、後戻りあるいは再発といわれるものです。
長い時間をかけて矯正を行ったとしても、歯は矯正装置を外した途端に治療前の状態に戻ろうとします。
残念ですが後戻りの発生はある程度覚悟して治療を行わなければなりません。
後戻りの原因4つ
歯の後戻りが起こる原因は、主に4つあります。
- 不正咬合の原因を十分に除去できなかった場合
- 保定方法が不適切であった場合
- 咬合調整が不十分であった場合
- 保定装置に対する患者さんの協力が得られなかった場合
後戻りをさせないために、ご理解いただきたい点
- 歯を移動させることよりも、移動後の状態に留めておくことの方が難しい
- 保定装置を使わなければ、歯は元の位置に戻ろうとする
矯正を検討中の方は、以上2つの点を十分にご理解頂き、治療にご協力いただきたいと思います。
矯正の仕組みを知りたい方はこちらもどうぞ!
リテーナーを使った保定
歯を移動させたら、今度はその動きを止め、正しい位置を長期間にわたって保持することが大切です。
正しい位置に動かした歯の歯周組織が安定するまで維持、管理することを保定といいます。
また、そのために用いる装置を保定装置(リテーナー)といいます。
保定の種類
保定は、以下の3つに大別されます。
- 自然的保定
- 機械的保定
- 永久保定
自然的保定
自然的保定は、調和のとれた口腔周囲筋、正しい咬合、健全な歯周組織などの生理的な力によって、改善された咬合状態を維持することをいいます。
矯正治療に続いて保定装置による機械的保定が終了し、最終的にこの自然的保定が得られることが重要です。
機械的保定
機械保定は、自然的保定の条件が十分に得られない、つまり矯正装置を撤去した状態のままでは後戻りや再発が懸念される場合、保定装置を入れて自然的保定の条件が得られるまで保持する処置です。
歯列矯正の患者様のうちほとんどが、機械的保定によって処置を行います。
永久保定
永久保定は、矯正治療後、長期にわたり保定装置を使用したにもかかわらず後戻りが生じる可能性がある場合に、補綴装置(連続インレー、ブリッジなど)を半ば永久的に使用することを指します。
歯周組織の状態が悪い症例や、成人の矯正治療後などによく適応されます。
保定装置の分類
保定装置は、以下の3つに分類されます。
- 可撤式保定装置
- 固定式保定装置
- 半固定式保定装置
①可撤式保定装置
「可撤」とは、取り外しができる、という意味です。
可撤式保定装置には、目的や治療箇所によっていろいろなタイプがあります。
ホーレータイプリテーナー
(引用元:恵比寿ますだ矯正歯科)
前歯部および臼歯部にかけるワイヤーがついており、舌側がレジン製のプレートになっています。
唇側のワイヤーと舌側のプレートで正しく並べた歯を挟み込み、動きを抑えます。
ベッグタイプリテーナー
(引用元:恵比寿ますだ矯正歯科)
ワイヤーが唇側の歯列全体を囲み、舌側がレジン製のプレートになっています。
全体的に歯を唇側と舌側から挟み、周りの骨がしっかり固まるのを待ちます。下顎用は舌がありますので、少し小さくなっています。
ソフトリテーナー/トゥースポジショナー
(引用元:H&S矯正・審美歯科)
ポリウレタン樹脂やシリコーンゴムでできたマウスピースのような装置で、若干の後戻りを改善することが可能です。
アクチバトール(FKO)
(引用元:なんぽ歯科クリニック)
バイオネーター
(引用元:秋澤歯科医院)
上下の骨の位置や大きさのバランスを整え、出っ歯や受け口を改善するための装置。
お子様の矯正によく用いられます。
顎の成長を誘導して位置を変化させた後、継続使用して保定装置とすることができます。
②固定式保定装置(フィックスリテーナー)
取り外しができない保定装置。
犬歯ー犬歯間保定装置には、バンドで舌側から抑えるバンドタイプと、直接歯面に貼り付けて保定するボンディングタイプがあります。
ボンディングタイプ(ボンデットワイヤー)
(引用元:ほてい矯正歯科クリニック)
その他、バンドおよびスパーによる保定、先に述べた永久的に使用するブリッジおよび連続インレーによる保定装置もこの範疇に入ります。
メリット:針金がしっかりと歯の裏に固定されていますから、後戻りを防ぐのを協力にサポートしてくれます。取り外せるタイプでは自己管理に不安があるという方には、固定式のリテーナーがおすすめです。
③半固定式保定装置
患者様は外せませんが、術者が外せるということで、固定式と可撤式の中間に位置し、半固定式保定装置として分類されます。
舌側弧線装置(リンガルアーチ)
(引用元:池上矯正歯科クリニック)
保定期間と再発防止策
保定期間を一律に決定するのは難しいもの。
当院では、以下のような状況を考慮したうえで、リテーナー着用の期間を決定します。
また、高齢になるほど保定期間が長く、咬唇癖や舌癖など悪臭癖を有する患者様では保定が難しい傾向にあります。
保定期間の目安
症例と期間
〇上顎切歯の舌側転位など・・・数日
〇萌出期間中に移殖した歯・・・数か月
〇歯槽骨が発育完了後に移動した歯・・・2年以上
〇回転歯・・・長期
さまざまな再発防止策
症例と適応する対策
〇捻転歯、転位歯・・・長期保定
〇過蓋咬合、開咬(顎や歯に垂直的に問題がある場合)・・・オーバーコレクション
〇捻転歯の周囲の歯槽頂線維切断・・・環状靭帯切除(セプトトミー)
〇補綴処置による保定・・・永久保定
〇余裕のある顎幅径、歯軸傾斜・・・外科矯正
〇弄舌癖、咬唇癖・・・不良習慣の除去
〇口腔周囲筋の不良・・・筋機能療法(MFT)
〇咬合の微調整・・・咬合調整
まとめ
歯の矯正は保定期間を含めると長期間にわたります。
患者さまには「歯は一生動く」ということをご理解頂き、矯正治療を成功できるように努めていきましょう。
さいごに:当院で行う矯正治療法は以下の2つです。
- インビザライン:透明なマウスピースを用いた矯正治療法
- クリッピー:見えない裏側矯正装置を使用した矯正治療法
子どもから大人まで、概ねどのような歯並びの方でも矯正治療は行えます。
歯の矯正で医療費控除を使う方法も併せてご覧ください!
浦和で矯正歯科をお探しの方は、浦和もちまる歯科・矯正歯科クリニックまでお気軽にご相談ください!